「先生、それってどう言う意味ですか?」
「ほら、恋は盲目ってよく言うでしょ?もう一度周りを見渡してみて⁉︎一見、いい子に見えて本心はそうじゃなかったみたいな…。まぁ要するに私が言いたいのは、女って本当に怖いから、あなたも油断したらダメよ‼︎」
意味深な言葉だけを残して、保健師の先生はコーヒーを手に自分のデスクに寄りかかった。
「失礼します」
保健師の先生に一言言って、堀澤は保健室を出た。
右手で持っているマグカップからは湯気が立ち上る。マグカップに口を付け、薄っすらと目を開けてコーヒーを飲む保健師の先生は、ふと堀澤の去り際に見えた瞳を思い出して心の中で思う。
「彼は坂尻さんを守れるかしら…」
そう心の中で呟きながら、持っていたマグカップをデスクに置いて保健師はその場から離れた。



