「練習終わったの?」
「おぅ、いつも通りに。それより坂尻は、体調は良くなったのか?」
「うん、もう大丈夫」
夏海がほんの少しだけ微笑んだのを、堀澤は見逃さなかった。堀澤は小さく咳払いをして前を向いた。
「ならいいけど…」
「ん?何?」
「いや、何でもない‼︎」
何か言いたげそうな堀澤の横腹を、夏海は肘でツンツンと突いた。
「あんまりしつこく聞くなって!」
久々に見た夏海の笑顔に、堀澤は少し安心していた。
ここ最近、体調が良くないように見え、今まで坂尻にか弱いイメージが全く無かったからこそ、早く普段通りの坂尻に戻って欲しいと心の中で願うのだった。



