足元に置いていたリュックを背負い、バレーシューズを左手に靴箱をバタンと閉めた時だった。
「堀澤くん‼︎」
女子が自分の名前を呼ぶ声が聞こえたので、声がする方へ振り向くと、一段高いところから一年の頃同じクラスメイトだった星野優菜(ほしのゆな)が立っていた。
「星野、久し振りだな‼︎どーした⁉︎こんな時間まで」
「私、さっきまで体育館でバレー部の練習見てたよ‼︎」
「あぁ、そうだったんだ。ごめん、気付かなくて」
堀澤の当たり障りない感じの素っ気ない会話が、星野を悩ませる。
「ねぇ、次の試合の対戦相手って強いの⁉︎」
「あぁ、強いよ‼︎地区大会でいつも当たるんだよ」
「ふぅ〜ん」
星野はキラキラさせた目で堀澤を見つめる。そんな星野を他所に堀澤は、全く気付かずに昇降口を出ようとする。



