バタバタと暴れる夏海の上に跨る丸林は、そっとその場から離れた。
やっと解放された夏海は、思わず咳き込んだ。
「しっ死ぬかと思った…」
「お前を殺して何も得しねーよ」
丸林はベッドから降りて、ズボンを両手で叩き、スニーカーを履き直した。
「劣等感や嫉妬を自分で乗り越えていかないと、何も変わらないよ?」
夏海がボソッと呟き、丸林が夏海の方に振り向いた時だった。
夏海は耳鳴りが鳴り始め、集中力を高め、周りの音や声に敏感になっていた。
「おい、今度はどうした⁉︎」
夏海の視線の先を追う丸林は、一度保健室を出て廊下を見渡す。
「外に誰かいたのか?」
耳鳴りが止み、我に戻った夏海はムクッとベッドから起き上がった。



