夏海は首を横に振った。
「ううん、何でもない。授業が始まるから戻ろう‼︎」
ステージから降りようとした時だった。さっきの耳鳴りが再び鳴ると共に、目眩がし始め強く目を瞑った。
夏海はフラッと意識が無くなったかのように、いきなり前から倒れた。目の前で見ていた堀澤が、咄嗟に両手で夏海の身体を支えた。
「おい、大丈夫か⁉︎」
堀澤は大きな声で夏海に呼び掛けるが、返事がない。
誰もいない体育館で、助けを呼びに行く時間もない。
夏海を背負った堀澤は、走って保健室へと一直線に向かった。
保健室前にたどり着き、ガラガラと扉を開けた。
椅子に座って仕事をしていた保健師の先生は、ビックリした表情で2人を見るや否や、堀澤の形相は険しいものだった。



