堀澤は少しずつ近寄り、夏海の顔を下から覗き様子を伺う。
「坂尻、急に素直になったな」
「はぁ⁇何言ってんの?」
夏海は苦笑いを浮かべ、腕時計を見て昼休み終了まであと10分を切ろうとしていた。
「もうこんな時間、行かなくちゃ!」
ステージから降りようとした時、いきなり耳鳴りがキーンと鳴り始め、ふと身動きを止めた。
周りの音と空気を同調して、辺りをキョロキョロと見渡す。ふと夏海は、体育館の入り口に誰か人影を見つけた。
ボールを片付け始めていた堀澤は、なかなかステージから降りてこない夏海に気付き、慌てて駆け寄る。
「どうかしたか⁉︎」
堀澤に声をかけられ、夏海は我に戻り、堀澤を見て何事も無かったかのように振る舞う。



