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翌日
チャイムが鳴り授業が終わった後、イヤホンをして勉強していた堀澤は、目の前の人影に気付き顔を上げると、夏海が腕を後ろに回して立っていた。
「今いい?」
「あぁ」
イヤホンを耳から外して首にぶら下げた堀澤は、夏海を見つめる。
「傘を返すの忘れてた。この間はありがとう、風邪を引かずに済んだよ」
腕を後ろに回して手を持っていたのは、堀澤に借りた黒い折りたたみ傘だった。
「困った時はお互い様だ‼︎」
「うん、そうだね」
「坂尻は俺に借りができたな」
「えっ⁉︎借りって何よ」
堀澤はクスクス笑い、そんな堀澤の肩をグーパンチする夏海だった。
そんな2人を他所に、席に座ってその場を目撃していた真弥とさやかは小さな声で話していた。



