未来の1/fragment







笛が鳴り、勢い良く地面を蹴り上げ、クラウチングスタートをいい反応で飛び出した末永を目で追いながら、同時に夏海の目にはその先の出来事が見えた。



【彼は6.5秒から5.9秒の自己新記録を叩き出し、次の試合で県大会優勝。インターハイ出場を果たす】



ゴールラインを踏み、体育教師がストップウォッチを止めた。


真っ直ぐ歩きながら呼吸を整える末永に、体育教師が驚きを隠せないような表情で話しかける。



「末永、6秒切って5.9秒だ‼︎」



「末永早いな〜」と言う声がする中、当本人が驚きながらも嬉しそうに右手拳を掲げ、ガッツポーズをして喜んだ。


周りと同じように拍手をしながら、澄ました表情でふぅ…と一呼吸する夏海を、堀澤は離れたところから眺めていた。