未来の1/fragment






「丸林、その首にある痣って…」



夏海の腕を振り払い、手で痣を隠す仕草を見せる丸林は、いつものようにヘラヘラする。



「あぁこれ?友達と喧嘩したんだよ、なんか痛いなと思ったら、痣が出来てたのか‼︎」



後ずさりをして怯える夏海の腕を咄嗟に掴んだ丸林は、しきりに様子を伺う。



「え、どうした⁉︎何で…お前が泣いてるんだよ‼︎」


「えっ⁉︎」



夏海は無意識の内に頬を流れる涙に気付き、慌てて手で拭う。



「ううん、何でもない」


「何でもない⁇なら何で泣くんだよ⁉︎」



夏海はいつもとは違う感覚に陥っていた。


相手の眼を見て瞳の奥を覗くように、相手の未来を見るのではなく、丸林の身体の一部を何気なく肩に手を置いた途端、彼の心の闇と過去に触れてしまったのだ。


謎めいた彼の私生活や行動を見てしまい、思わず困惑して涙が溢れてしまった。