「じゃあ、あいつはなんなんだ⁇」
「あいつ?」
真弥は飯田の視線と人差し指で指す方向を追うように、後ろを振り向き降りてきた頭上の階段を見た。
飯田に気付かれ、すっと逃げていく後ろ姿が見えた。真弥にはこの男子生徒の正体が分かっていた。
「安井くんだけど?」
男子生徒とは、クラスメイトの安井だった。
「真弥は知らないのか?お前と安井が付き合ってるんじゃないのかって、噂になってるんだぞ。気付いてないのか?
もしかして…二股掛けてんのか?なぁ、真弥はどっちなんだ?本当に好きなのは、俺なのか⁇それとも安井なのか⁇ちゃんと答えろよ‼︎」
いつになく真剣な眼差しと、眉間に皺を寄せる飯田を目の当たりにする真弥は終始戸惑っていた。



