ー16歳になる坂野春菜と竹内直人は幼なじみであり、
小さい頃から両思いだった。

子供って本当に純粋だなぁと我ながら思う。

幼稚園からずっと一緒で、家も近くて、毎日のように遊んでいた。
好きって思っていた。



でもそれは中学に入って壊された。
両思いが中学で噂になり、それから私を避けるようになった

そして、友達のいる前で私に「嫌い。」

そういって去って行った。



知らぬ間に彼はいろんな彼女を作っては別れの繰り返しになり、
私は彼を心から軽蔑するようになったのだ。
反抗期だったのもあるのか、思い切り避けた。


そして何故か高校が一緒になり、それまで会話が無かった私たちは久しぶりに話すことになった。ー





母「はる!春菜ー!ほら起きなさい!」


春菜「んうぅ…」


母「今日は高校の入学式でしょ!そろそろ起きないと間に合わないよ!」


春菜「…あー…緊張するなぁ…」


母「ふふっそんな事言ってないの!なおくんとの時間に間に合わなくなるわよ!」


春菜「……はぁ…」

そう。中学のころ全く絡みがなかったのに高校の入学式に一緒に行くことになってそれが実は嫌…だったりもする。

家隣だから姿を見ないってことはないけど…

話すのは久しぶり。






母「あっなおくんママお待たせ~!」

直人母「あらー、なんだかはるちゃんも制服が違うと一気に大人っぽくなるね!」

春菜「あ…うん…」

直人「…」


どうしよう…ママたちは2人でトーク始めちゃったよ…
必然的になおくんの隣に行かないとダメじゃん…

…並んだはいいけどなおくんずっとそっぽ向いてる。やっぱ嫌われてるのかな…

直人「あのさ」

春菜「えっなに!?」

直人「…クスッ」

春菜「えっえ?」

直人「話すの久々だから何話そうかと思ってたけど、やっぱはるちゃんは変わんねーな!」

ニカッと彼は笑って、私との距離を近づけた


春菜「なっなんだよもう!確かに久しぶりかもね…!まさか高校も同じなんて、なんだか腐れ縁感じるな~! ニコッ」

直人「…まぁ、クラス一緒だといいな!」

春菜「うん!」

よかった!普通に話せてる!
なんだか今まで話してなかったなんて思えない!







母「じゃぁ、入学式終ったらママたちは帰るけど2人は自由に帰ってきてね!」


春菜「はぁい」
直人「んー」



春菜「えーっとクラス…あった」

B組か。なおくんは何組だろ…


直人「Aだー!そっちは?…Bか」

春菜「ま、隣だね(笑)とりあえず場所途中まで一緒に行こうか!」




校長「えー、入学式おめでとう。我校では校内にある、おきな木のようにスクスクと……」




ふぁー。やっぱ校長の話って退屈ね。寝ちゃいそう…
そんなことより、クラスでうまくやっていけるか今更心配になってきたかも…


少女「ねえねえ!ヒソヒソ」

春菜「あ、はいっ ヒソヒソ」

少女「名前、なんていうの??私は古田楓。良かったら友達にならない?」

春菜「わっ私は坂野春菜。ぜひお友達になってくださいっ」

楓「あははっうん、よろしく。校長の話、退屈ね~
早くお家帰りたい~」

春菜「ほんとに~」

楓「それよりさぁ、A組にイケメンいるーってなんか噂になってるんだけど、見た?」


春菜「え?なになに知らない~どんな人なの?」


楓「私もまだ見てないんだけど、田中尚也とか言うひと!」

春菜「へぇーそうなんだ~」

楓「あと、竹内直人ってひと!」

春菜「……!?ゴホッゲホゲホ」

楓「どうしたの?」

春菜「…ごめん、その直人って奴、私の幼なじみでちょっとびっくりしたんだ…ケホッ」

楓「えっすごい!そうだったんだ!実は竹内くんが彼女らしき人といたって聞いてたんだけど、もしかしてそれ春菜のことかなぁ。ニヤリ」

春菜「…なんかめんどくさい事になりそうだからアイツとはあんまり関わらないようにしよっと…」


楓「あははっもう、春菜って面白いねっ」




先生「はいっそれでは明日も今日と同じ時間にここに来てくださいね~解散です!」


楓「春菜~途中まで一緒に…」

直人「はるちゃ…っ…春菜!」

春菜「…!?…え、私?なに?なおくん。」

直人「ヒソヒソ おい、学校では君を付けんなって恥ずかしいから!直人!わかった?」

春菜「う…うん…なに、帰るの?」

直人「クラスどんなもんかって覗きに来ただけだよ…」

楓「…フフッやれやれ仲いいんだな…ボソッ
春菜、また明日ねー!!」

春菜「あ、うん!またね!」

直人「なんだよ、もう友達いるんだな。って、俺もできたけどな~」

春菜「はいはい維持はらんでいいから…」
…………見られてるっっ女の子たちにっ見られてるっ


直人「は?本当にいるからな!待ってろ!呼んでくる!」


春菜「…よし、帰ろう!さぁでたでた!ブッ!!

…いったー…すみませーん…よそ見してて……!?」

うわ、イケメン。だれこの人………!?


直人「おー、わりぃ、これ俺の幼なじみの春菜。
おい春菜!こいつが言ってた友達の田中尚也!」

春菜「……ん?田中尚也?えっ田中尚也って、、、」

さっき楓が言ってた人…?


や ば い 。


こんなところ他の女の子たちに見られたら私殺される。ほんとに早く帰らないと。


尚也「へー!この子が直人の幼なじみか!よろしくな!」

春菜「あ、よろしくです。それではまたっ!!」


逃げろーーーー!!!!



直人「あっおい!一緒に帰るんだろ!わり!尚也、また明日な!」


尚也「おっおう!」


春菜「直人お願いだから校内で一緒にいないで!」

直人「はぁ?なに、久々で照れてんの?」

春菜「そーじゃなくって!」


尚也「…………幼なじみ…か…




付き合ってるのかな…………?」






こうして、私の高校生活は幕を開けた。