――――― ―――― ―――…… 「……ら、沙羅!練習するよ。」 呼ばれているのに気づいて、思い出すことをやめる。 今は部活に集中しなくちゃ。 私は先輩のことを忘れるように、練習に打ち込んだ。 練習中は男子バスケットをなるべく見ないようにした。 練習が終わるとみんなが帰りの準備を始める。 「沙羅、今日も残って練習するの?」 「うん。」 「そっか、頑張ってね。」 ぞろぞろとみんなが出ていく、その中には先輩も混じっていた。 静まり返る体育館のなかで私と後輩の高原俊哉が残った。