「先輩。」 「ん?」 高原が顔を下に向ける。 「……い。」 高原が何かつぶやく。 そして、再び顔を上げた。 「涙目で『ん?』は卑怯ですよ。」 「やばい……先輩、本当に可愛い。」 私は思わず「へ?」っと変な声を上げた。 私が想像した言葉とはかけ離れた言葉。 でも否定されなくてよかった。 そう思うと自然と笑みがこぼれる。