でも、何となく予想していた一言だった。 「俺ら三年って、あと一か月も経たないうちに卒部になるだろ……。」 「もう勉強に集中したいしな。」 私は先輩の言葉に何も返さなかった。 先輩の嘘つき。 勉強に集中したいとかじゃないでしょ。 いつものように「お前の友達が好きになった。」でしょ。 「本当にそうですか。」 沈黙を破る。 先輩は苦笑いして、ごめんと謝る。 先輩のごめんという一言は、私の考えを肯定する一言に感じた。 たぶん凜のことが好きなんだろう。 ……いや、多分じゃなくてそうだろう。