彼のは私を惑わす。 勘違いさせるような言葉や行動に、心が揺れていく。 信じたくないという固い心も解けていく。 自分を守るために身に着けた強さは、音もなく壊れていく。 私にとって意地っ張りは強さの証拠だった。 素直になるのが怖かった。 でも、彼のことを信じようと思った。 太陽みたいに明るく柔らかく笑う彼は、私にとっては太陽よりも温かった。 それが妙に心地よかった。 ――― 君の横は麗らかだ。