「いってきます!」 満面の笑みを浮かべて、部活に向かった友達に手を振った。 友達の凜はみんなから好かれている。 話し方も女の子らしくて、容姿も整っている。 くっきりとした二重に、雪のような白い肌に、血色の良い唇、スラッとした腕に足。 私の自慢の友達であり、私の一番苦手な人。 でも凜に嫉妬する自分が一番嫌いだ。 友達を悪く思う自分が一番嫌い……私も凜みたいな女の子になりたかった。 「あ、もう時間だ。」 私は部活のバックを握って、体育館に向かった。 頑張れ、と自分に言い聞かせながら。