「先輩、俺がいつから残って練習するようになってるか知ってますか?」



「えっと……。」






そういえば、最近から練習するようになったんだろう。


考えても思い出せなかった。






「わかんない。」



「ですよね。」





当たり前のような顔をして答える。


知らないってわかってるなら、聞かなければいいのに。






すると、高原が耳元に顔を寄せる。


吐息が耳にかかって、ぞわっと背中になにかが走る。







「三年の先輩が卒部した後ですよ。」






意味深な言葉を囁くと、立ち上がって何もなかったように練習を再開する。


私も練習を再開するけど、高原の言葉がよくわからなかった。