「先輩、まつげ付いてる。」 「え、どこ。」 「目を閉じて。」 言われるがままに目を閉じた。 もしかして今さっき見つめたのは、まつげが気になったから? そう思うとなんだか恥ずかしくなった。 しばらくしても何もないので、恐る恐る目を開けてみた。 高原が目の前にいて、少しでも前に行くと触れそうな距離だった。 「油断しすぎですよ。」 悪戯っぽく笑う。 みるみるうちに顔が赤くなっていく、頬が紅潮していくのが分かった。 後輩ではなく男の一面を感じた。