「あなたもしかして、アンドリューズ家のお姫様?」


「......なぜそう思うのですか?」


内心びっくりしていたけど冷静を装った。


「噂よ」


「噂...ですか」


「えぇ、そうよ。アンドリューズ家のお姫様は、珍しいピンクの瞳をもっているって聞いて」


「────っっ!」


これにはさすがに驚いた。


「大丈夫よ、誰にも言わないわ」


目の前にいる彼女は、資料に目を通しながら言った。


「ありがとうございます。すみませんが、お名前聞いてもよろしいですか?」


「クリス・ロバーツよ。お姫様の名前は?」


クリスさんは感情が読めないから少し苦手かも...。


「ローズ・マリー・アンドリューズですわ。ここではマリー・ドンソンと名乗りますわ」