「中村くん?どうしたの?

もう始まっちゃうよ」


一さんが‥‥


あんなに元気だったのに‥‥


「中村くん?」


今すぐ一さんの所に行きたい。


でも‥‥もし僕が行ったら‥‥嫌がるかも‥‥


それでも‥‥


「ごめん!僕‥‥行ってくる。」


「ちょっと待って!」


僕が行こうとした瞬間、水瀬さんに腕を掴まれた。


「どこ行くの!?もしかして、琴美ちゃんの所?」


「‥‥うん」


「だったら‥‥行かせない!

あんな女のどこがいいの!?中村くんの彼女は私じゃん!」


「あんな女じゃない!」


「中村くんの彼女は私なのに、中村くんの周りをうろちょろして!めざわりじゃん!

中村くんもそう思わない!?」


そんなことない‥‥


大嫌いなんて言われたけど‥‥


僕はやっぱり‥‥嫌いになんてなれなくて‥‥ずっと頭の中は水瀬さんより、一さんでいっぱいだった。


やっと‥‥今になってちゃんと気づいた今更気づいた僕の気持ち‥‥