「ちょっとごめん‥‥」


僕はその場から少し離れると電話に出た。


「もしもし」


『もしもし!あんた中村!?』


「そうですけど‥‥」


『あたし、高橋だけど!』


高橋‥‥?


高橋さんがなんで僕の電話番号知ってるんだろう‥‥


それに、なんだか焦っているようだった。


「どうしたんですか?」


『琴美が‥‥車にひかれてさっき病院に搬送された。』


「え‥‥」


頭を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。


『それで、意識不明の重体。もしかしたら‥‥このまま目を覚まさない可能性もあるって‥‥』


「嘘‥‥ですよね?」


『こんな嘘つけないよ』


「なんで‥‥」


『まぁ、言っといた方がいいと思って‥‥それじゃ』


プツン‥‥


そう言うとすぐに電話を切ってしまった。