「ふーん、そんな事があったんだ。」


「いや、まぁ‥‥」


「あんた、どうすんの?このまま、中村の事諦めんの?」


「まぁ‥‥きっともう無理だろうし。」


そう。多分もう私には無理なんだと思う。


話しかけるだけで、あの時のことを思い出して躊躇って、結局何もできない。


一歩も前に進めてない。


だからもう、諦める。


「バカじゃないの? 」


「えっ」


「ちゃんと言いなよ。

ちゃんとぶつかりなよ。


水瀬から奪っちゃう位の勢いでぶつかってこいよ、何が無理なんだよ。


無理じゃねぇだろ、何勝手に決めつけてんだよ。

好きなら好きって言えよ。」



「‥‥出来るわけないじゃん‥‥」


「そうやって決めつけて、そんなんだから中村も離れていくんだよ!


結局は自分が傷つかないように守ってるだけじゃん!


好きなら!本当に好きなら!自分の持ってるもの全部捨てる勢いで向かっていけよ!


あんたにならできる。

私が保証する。」


「友ちゃん‥‥」


「駅前のクリスマスツリーの前にいるって」


「はっ‥‥?」


「中村たちがいるって、早く行かないと次はないかもよ」