「ありがとうございます!」


中村くんも私に微笑み返した


今はその笑顔が私には悪魔の微笑みにでも見えてしまう



フラれちゃえばいいのに‥‥



私‥‥なんてことを思ってるのだろう


私って最低だ。


私の中に醜い感情の波が押し寄せてくる



私は立ち止まっていた足を動かし、中村くんを追い抜いた



「中村くん、聞きいたいことがあるの」


「なんですか?」


「中村くんはさ、私の事どう思ってる?」



何してんだ私‥‥


こんな質問して‥‥傷つくだけなのに


「僕は‥‥一さんの事は、神様みたいな存在だと思ってます」


神様‥‥


私って中村くんと対等にもいられないんだ。


「ははっ」


私の口から乾いた笑が溢れた


「中村くん、バイバイ!」


私は中村くんに手を振ってその場から走って逃げた


その時の私の顔は今までで一番の笑顔だったと思う。