『はい、これ。』

朝ごはんを済ませた後、
ママから紙袋を渡された。


『これなに?』

『いいから見てみて』


紙袋の中を見ると、
中には黒髪の地味なウィッグとメガネが
入っていた。


『今回はこんなに地味なのね…』


『仕方ないじゃない、詩音は地味なの嫌だって言ってたけど、地味にしないとすぐにまたバレてしまうわよ』




前にいた学校では、ここまで地味なウィッグとメガネは使っていなかったから

わりと早い段階で正体がバレてしまったんだ。





やっぱりバレないためには仕方ないよね……



『うわぁ~...地味...』





地味なウィッグと地味メガネを身につけて、
膝下スカートを履いた私は


鏡の前で自分のブスさに絶句した。