ヴーヴー





急いで校舎を走っていると
マナーモードに設定しているスマホに
電話がかかってきた。





『もしもし』


私は靴箱から靴を地面に雑に落としながら
言った。



「詩音ちゃん今どこにいるの?」




スマホの向こう側でそう言った相手は
マネージャーの前田さん。


前田さんは無自覚だけど美人で、私はモデルを始めた頃からお世話になっている。




『まだ学校なんだけど、いま靴履いたところです』


「よかった、学校にいたのね。
迎えに来てるから急いで駐車場来て!」



その声を聞いて、急いで駐車場に向かった。