「大宮!」
「神野、近すぎなんじゃないの」
「あ?」
「晴野さんと、席、近いんだよ」
先生の言葉など雷斗くんに届いていませんね。バトル再開。あう、お邪魔です。
「…晴野、こっち来い」
先生が呆れて私を呼びます。素直に用具を持って、先生に示された席に着きます。ふぅ、解放された…。
「先生、俺教科書…」
「貸すから神野は動くな。大宮、お前も席違うだろう」
雷斗くんは先生の言葉に素直に一番後ろの席に戻りました。
神野くんは表情を険しくさせながら、先生の差し出した教科書で感想を書きはじめたようです。
30分も時間があれば十分ですね。授業終わりに先生にノートを出すと、苦笑いされました。
「晴野、放課後分かってるな」
「はい。よろしくお願いします」
先生は1つ頷くと、教室を出て行かれました。


