「輝星、蓬座れ」

 朔夜さんの声に、輝星さんは素直に座る。当然私もつられて隣に座ります。

「よもぎちゃんと話すのは久しぶりですね」

「あれ、そうでしたっけ?」

「1か月は話してねぇよ。よもも嵐鬼入ればいいのによ」

「それは出来ません。お父さんに怒られます」

 焔さんはお父さんと言えば大体食い下がります。今も不満げにしながらもそれ以上何も言えないようです。

 嵐鬼に入らないのはもちろん、お父さんが許さないというのもありますが、情報屋として活動する私がどこかに属することは出来ません。
 嵐鬼と取引をしたことはありませんが、渉さんはいつも情報屋の連絡先や現れる場所を探っていますからね。

「よもちゃん、さっきサンキューな」

「構いません。私も前がよかったので」

 雷斗くんは幹部の中でも最年少。それゆえ、焔さんからはいつもパシリにされたりとなかなか不幸です。でも、本人は楽しそうなのです。

 輝星さんに捕まったままの私に雷斗くんは少し遠慮気味に話しかけてきます。
 その原因は輝星さんがビームを出しているからですね。