「晴野、お前勉強好きなのか」

「…神野くんは嫌いなようですね」

「好きな奴の方がいねぇだろ。特にここには」

 授業終わりを待ってましたと言わんばかりに話しかけてきましたね。答えると、少しだけ嬉しそうです。

 どうしてこんな陰気な私に話しかけるんですかね?
 よく分かりません。それに、くっつけた机はそのままになってます。

 その机は次の時間になっても、その次の時間になっても離されることはなく、休み時間が来るたびに神野くんは私に話しかけてきていました。

 何がそんなに楽しいのか。ただ、時々零れる彼の笑顔は見ていて嫌になるものではありませんね。

 そんな神野くんのおかげでいつもより午前中の授業が早く終わった気がします。
 さて、輝星さんとお約束しているので行かないとですね。かばんごと持っていきましょう。