「よも、お母さんからプレゼント」

「え?」

 振り返れば、お母さんは大きな袋を差し出してくれていました。
 それを受け取ると、お母さんは開けてみて?と言ってくれたのでその場で開封。

 開けてみると、真っ黒なパーカーが2つも出てきました。

「清牙のお古だったでしょう?これからは自分のを着て行きなさい。夏用と冬用ね?」

「ありがとう、お母さん」

 情報屋としての私を応援してくれているお母さん。
 嬉しくてちょっぴり泣きたくなっちゃいます。

「よも」

 短く私を呼んだお父さんは、少し赤い顔をして、小さな箱を差し出しています。それは、きっとお酒のせいでしょう。

 それを受け取ると、開けてみろというような優しい眼差し。
 開けてみると、それはボイスレコーダーのような形をしています。

「あれ、壊れてたんだろ?」

「ばれてた?」

「取引に支障が生じたら危ないからな」

「ありがとう、お父さん」

 新しい変声機です。最近雑音が入って、聞こえないと何回か苦情を貰っていました。お父さんは教えてないのに、ちゃんと私のことを知っていてくれます。

 こいこいと手招きをされて近づくと、手を引っ張られてお父さんの腕の中にすっぽりと納まってしまいました。でも、なんだか甘えたい気分です。

 お父さんの胸に頭をくっつけて目を閉じる。
 やっぱりお父さんの腕の中はあったかいです。

 急にうとうとし始めた私は、その気持ちよさに意識を手放した。