お父さんが1番最後に入って来て、俊也さんの頭を無言で殴りました。
 もちろんグーパンチです。痛そう…。

「…晴野、この人たちは?」

「お父さんとお母さんのお友達です。全員、嵐鬼の初代幹部なんですよ」

「あ、そういう…」

 こそこそと神野くんとおしゃべりです。

 にしても、突然どうしたんですかね。

「あれ、本人いたっ!キミ、名前は?」

「あ、神野秋空です」

「へぇ、いい名前ね。清牙に認められたんだって?すごいじゃない」

「は…はぁ?」

 紅葉さんに声をかけられて、神野くんは困り顔です。

「よもぎちゃん、おそくなってごめんね。これ前の」

「あ、ありがとうございます。」

「不慮の事故でピアス開けちゃったんだね」

「え…あはは…」

 颯人さんがこんな遠まわしに言ったのは、お父さんの怒りを再発させないためですね。
 確実に…。