「ともくん」

「やだ!」

「…言うこと聞かない子は抱っこしません」

「いやだ!だっこして!ねーね」

 しがみ付いてくる智希を引きはがして降ろします。

 甘やかしてばかりだとこういう時に走ってしまうのかもしれないですね。

 お母さんから荷物を受け取ると、神野くんが半分持ってくれました。ちょっと申し訳ないです。

「ん…ねーね、ぼくももつ!」

 さっきまでぐずっていたはずの智希は何故だか急に私の持っている袋を持ってしまいました。

 重いものは神野くんが持ってくれているとはいえ、小さい子には結構重いはずなんですが…。

「ともくん、貸して?」

「や!ねーねはみあとてつなぐの!」

「ねぇね~」

「…ともくん?」

 急に我がままになったり、お手伝いしたり、智希何かあったんでしょうか…。

 望亜が抱きついてきたのでとりあえず手を繋ぎますが、智希は一生懸命袋を持って歩いて行きます。