「何名様ですか?」

「2人です」

「2名様ですね。こちらにどうぞ」

 愛想のいい店員さんに案内されて、向かい合わせに座ります。
 メニューを取りますがどれもボリュームたっぷりですね。

 う、確かに気持ち悪くなりそう…。

「晴野、これにすれば?」

「…バカですか」

 神野くんのおすすめは豚カツ2倍とかいう迫力満点な定食です。
 流石にこれは食べれませんね…。

 でも、おいしそうなので食べてみたいです。あ、小さなサイズ発見です。

「つまんねぇの。すみません。これください」

「はい、豚カツ2倍の定食ですね。お連れ様は」

「あ、これで…」

「レディースセットですね。少々お待ちください」

 神野くんは2倍だそうです。細い体のどこに入って行くのやら…。

「神野くん、意外に食べるんですね」

「え?あ~、家で食うのめんどい」

「普段食べてないんですか!?」

「いや、食ってるけど…適当だな」

 神野くんの食生活、誰か正してあげてください。
 思わずため息をつくと神野くんは笑っていました。自分のことなのに…。