晴野の家に招待された挙句、親父さんに送ってもらうことになるとは…。

 さっき夕飯をごちそうになりながら話していたせいで何を話していいのか分からない。
 それに、家を出た途端、親父さんが話さなくなったこともあって、話していいのかすら分からない…。

「…秋空くん」

「え、あ…なんですか?」

 いきなり話しかけられたせいで一瞬理解できなかったぞ!?

 慌てて返事をする俺に親父さんは苦笑を浮かべている。すみません…。

「もし、もし俺に何かあったら蓬を守ってやってくれないか」

「え?」

 それって、どういう意味なんですか…。
 なんで、そんな悲しそうな顔をしているんですか…?

 親父さんは急に立ち止まると、振り返って俺と顔を会わせてきた。
 その真剣な表情に俺の足も止まる。