「よも、本当に開けるのか?痛いんだぞ」
「でも、ピアッサーなら一瞬ってクラスメイトが話してたよ?」
「それはそうだが…」
表情を歪めるお父さん。
どうしてそんなに止めようとするんでしょうか。別に学校の先生には怒られないんですが…。
「よもぎちゃん。そのピアス少しの間貸してもらえる?」
「え?」
「イヤリングにしてあげる。清牙、それでいいだろ」
颯人さんの提案に、お父さんはそれだと言わんばかりに食いつく。
どうしてかは分かりませんが、お父さんがそこまで開けてほしくないというなら颯人さんに頼むのがベストでしょう。
「颯人さん、お願いします」
「うん。出来たらまた持ってくるね」
にっこりと微笑んでくれた颯人さんは手先がとっても器用なんです。
お仕事は経理関係ですが、昔からこういうことは得意みたいです。


