「誰かいるのか?」 不意にかけられた言葉。 顔を上げれば、制服姿のままの神野くんがこちらを睨んでいるのが見えた。 どうして制服なんですか。どうして帰っていないんですか!? 月明かりが遮られたせいで、街灯のないこの公園で距離を詰めなければお互いの顔すらちゃんと見えない。 今なら、逃げられる…? 「おい、何か言ったらどうなんだ。…もしかして、晴野が言ってた奴?」 神野くんがこちらに歩み寄って来る。