「お、晴野珍しいな」
「…すみません」
「早く席着け。今日は席替えだ」
「え~」
先生の笑顔とは反対にブーイングが巻き起こります。
その中、席に着くと隣の神野くんが不機嫌みたいです。
そんなに席替えが嫌なんですね…?
前回同様くじで席が決まるみたいです。
今度の席は…廊下側の1番前みたいですね。ということはそこで決まりそうです。
荷物だけを持って席移動開始です。
早速新しい席に行きますか…。
「晴野」
「え?」
動こうとした瞬間、神野くんに手を掴まれてしまいました。
その瞬間、心の奥が一際大きく鳴る。それは嫌な感じではなくて、でも苦しくて…。
やっぱり、今日はなんだか変な日です。
神野くんに手を掴まれたままで私は席を動けずにいます。
すると、元私の席に当たったらしい女子生徒がやって来て、席に座ったままの神野くんを見て表情を輝かせます。
「神野くん隣なの?やった、よろしくね?晴野さん席違うでしょ?自分の席行ってよ」
勝手に1人で話しはじめそうな、いえ既に1人で話しはじめた女の子の言う通り、私は席に行きたいんですが、神野くんが手を離してくれないんですが!?


