よし、誰もいないぞっ!
…って、


『あっ、すまん。』


俺は大樹の口を塞いでいた手をパッと放した。


すると大きく息を吸った大樹は、


『ぷはぁ~!俺を窒息死させる気かぁ~』


キッと俺を睨みつけてきた。


『いやいや、お前なら大丈夫だろっ!なんてったって、水泳部期待のルーキーなんだからっ』


俺はへらへら笑いながら大樹の肩をポンポンと叩いた。


がっ、当の大樹は


『そういう問題じゃねぇよっ!』


『いでっ!!』


俺の頭をバシっと叩いた。