プールサイド ラプソディ

そうだった。


俺、泳げねぇじゃんっ!


俺は得意げにニヤつく夏美を見つめながら苦笑いを浮かべた。


ってことは…


『あっ、でも…』


『ん?』


呟いた夏美は人差し指を口唇にあてながら、


『引退まであと2年あるし…マネージャーから、選手として試合に出れるまでになったら考えてあげてもいいかなぁ?』


とんでもないことを言い出しやがった。


『はぁ?それ、めちゃめちゃハードル高くねぇ?』


俺はクスクス笑う夏実を見つめながら素っ頓狂な声をあげた。


するとにこっと小さく微笑んだ夏実は、


『うそだよ。』


いきなり俺の顔に抱きついてきた。