プールサイド ラプソディ

『な~つ~みぃ~!!お前は俺を殺す気かぁ~!』


俺は前髪をかきあげながら突き落とした張本人、夏実を睨みつけた。


がっ、顎に両手をあてしゃがみ込む夏実は、飛び込み台から俺を見下ろしながら、


『へへっ、あたしに背中を取られるようじゃ、陸人もまだまだだねっ!』


悪戯に微笑んでいた。


『うるせいっ!でっ、お前、なんでこんなとこにいんの?』


『へ?』


そうだよ、なんで夏実がここにいるんだよ。
教室にいるはずじゃ…


俺は夏実を見上げながら、濡れた髪から滴り落ちる水滴を手背で拭った。


すると夏実は目を丸くすると一変、にこっと微笑みながら手を差し出してきた。