そんな感じで、私には

「小説家」という夢が

あるんだ……。

「今思えば私の初恋だっ
たかも。」

私は、顔が赤くなるのを
感じた。思わず恥かしくて教科書を投げた。

「いや初恋って!顔も知らない人なんだよ!!」
でも、あの本の内容…。
どこか寂しげで…

でも優しい気持ちになれ
た…。

「うん、絶対優しい人だよ!性格悪いやつには書けない!!」

私は勝手に1人で納得し
散らばった教科書を、

ていねいに戻した。

(でも会ってみなきゃ、性格良いか分かんないよなぁ……。)

でも探そうと思っても、どこにいるか分かんないし…。本はあの一冊だけだし……。

うーん…。

私は、壁にはってある、カレンダーを見た…。

今は7月…。私は高校3年生。だから本気で将来の事を決めなきゃいけない。遊んでる暇なんか…
いや、遊び何かじゃないよ!!

でも………。

「私はどうしたいんだろ……。」

私は小説家になりたいんだよ…。でも才能がないし…なれる訳が無い…。
あの本を書いた倉木蒼に会いたいの??

会いたいよ…。でも会えるはずがない…。
だって性別と名前しか分かんないし…。


「私って、ほんと、ダメだなぁ……。」


こんな考えてるだけで、実行できない自分が嫌いだ。

水輝みたいに考えた事をすぐに行動できる人になりたい……。