かぁぁぁ!!

みるみる熱を帯びる理貴の顔



最近、理貴はクールではなくて素直な一面を見せるようになった気がする

そっけない態度はとらないし、冷たい瞳もしない

何か…嬉しいかも

「は、早く行こうぜ、学校」

目が左右に動いている

笑える~

「うんうん、よくあるよね~そういうこと」

「バカヤロー

そんなの考えんじゃねー」

「痛っ

蹴らんでよ~」



他愛ない話をして、二人でキャッキャと笑い合い、昔に戻ったみたい

楽しいな~

あっ、もう市坂学園目の前だ

「んじゃ、健闘を祈る!!!!!

応援してっから」

人懐っこい、誰もがキュンと来るような笑で、拳をつきだしてくる

―ドキッ


胸が…苦しい

感じたことのない、生まれて初めての感覚


「う、うん

理貴も…ね」

「おう‼」