『…そう、だよね。』





『おーい!伊織!柑奈!』







『瞬!遅いよ!』






『え?そう?悪い。』






『ね!柑奈。』







『え?あ、うん。遅いよ〜!』







伊織は、辛くないのかな。







『あ、私用事あるからここで…!』






『へ?そうなの?付き合うよ?ね、瞬。』






『おう!』







『あ、ううん!いいの。先帰っていいよ。ばいばい。』






特に用事なんてなかった。
ただ一人になりたかった。




近くにある公園のベンチに座って、空を見上げる。








『…。』







『…よっ!』







空の景色に急に映りこんできたのは、律くん。






『ひゃっ…?!律くん?!』







『驚きすぎだろー。隣、座っていい?』







『あ、うん。急だったから…』







『ここ、俺んちの近くなの。どしたの?伊織ちゃんは?』






『…あー、今日は一人になりたくて、瞬ちゃんと帰ってもらったの。』






『…ふーん。俺、話しかけてよかった?』






『え?全然いいよ。むしろありがとう。』






律くんが話しかけてくれてよかった。


話しかけてくれたのが律くんでよかった。