君を好きになっちゃったんだ。

「…いいよ、別に。晴はあたしに触られたくないんでしょ?待ってて、傘持ってくる」




サッと俺に背を向けて家の中に入ってしまう桜。




…待て待て待て待て。




壮大な誤解を招いてる気がする。




しかも桜、怒ってる…?




「じゃあ行こっか」




戻ってきた桜が手に持っているのはいつもの桜色の傘で。




「あの、桜…」




「なに?ほら早く行くよ」




俺のほうを見ずにひとりで傘をさして歩き始めてしまう。




相合傘しようよ、とは度胸のない俺には到底口にできない。




「…分かったよ」




雪がチラつく中。




少し雰囲気が悪くなったまま、俺も歩き始めた。