君を好きになっちゃったんだ。

寒さが身にしみる夕方、桜を家まで迎えに行く。




家の前にある黒い影。




…寒いから家の中にいなよって言っておいたのに。




だけどそんなひとつひとつの行動が、俺の心を暖かくして。




ニヤニヤがとまらない。




「桜、待っててくれてありがとう」




パラパラと白い雪が舞う中、桜に話しかける。




「…別に待ってない」




一瞬俺を見たあと、少し目を逸らす桜。




ホントに嘘つけないみたいだね。




だってほら。




「鼻は真っ赤だし、コートに少し雪のってるし、手だってこんな冷たい。ちゃんと家の中で待っててよ。それに傘は?」




雪が降っているんだから傘をささないと濡れてしまう。




俺だってさしてるし…




「…あたしが持ってたら、晴の傘に入れないもん…」




桜は上目遣いで俺を見ながらボソボソ言う。