君を好きになっちゃったんだ。

一歩ずつ、ゆっくりと近づいてくる晴。




髪、少し伸びたな…




でもあとはなんにも変わらない。




制服が冬服になったくらいで。




…このままここにいたら、晴の幸せの邪魔をしてしまう。




直感でそう思った。




「…ごめんなさい」




そう言って走り出そうとしたのに、あたしの体は動かない。




動かない、じゃなくて、動けないんだ。




「捕まえた」




晴に抱きしめられ、晴の香りに包まれる。




バイバイしてから、なんど夢見たことか。




夢見たけど、それはただの夢で。




苦しくて苦しくて、たまらなかった。