君を好きになっちゃったんだ。

これが最後なんだから、泣かないで、笑おう。




お別れが涙なんて、嫌だよ。




「あたしは晴のことが好き。だから、だからねっ…結衣先輩と幸せになって…?




…あたしはもう疲れちゃったよ。恋してて楽しかった。晴の言うように、辛い以上に楽しかった。だけどね、もう限界。…だからっ、バイバイ、しよう…っ」




笑うつもりだったのに、涙が溢れてきて。




これでバイバイできる。




「結衣先輩とお幸せに。約束破ってごめんなさい。…さようなら、晴先輩」




わざと先輩をつけて言えば、晴は悔しそうな顔をした。




「…これ、どうしても受け入れないとダメ……?」




「ダメです。…もう行ってもいいですか?」




どんどん晴との距離が開いて、壁ができていく気がする。




「…どこへでも行けよ…っ!!」




その言葉を最後にあたしは小屋から出て行く。




「大好きだよ。今も、これからも」




そう言ったあたしの声は誰にも届かず、空に吸い込まれていった。










「俺の気持ちは無視かよ…バカヤロー…」




あのあと晴が小屋で泣いているなんて、あたしには知る由もなかった。