君を好きになっちゃったんだ。

「違うよ。…たまたま同じだった。何度も諦めようって思ってたのに、再会したとき、好きがもっと大きくなって…」




そう、なんだ…




「晴先輩に近づいちゃダメって言ったのも…桜がもし仲良くなったりしたら、あたし勝ち目ないなって思ってたからなの…」




…誰だって、恋してれば醜いものになるよ。




だから、そんなことは気にしていない。








「…美鈴は、美術部の部室からよく晴のいる小屋が見えるの知ってた?」




あたしと晴の、秘密の小屋。




晴のことが好きなら、あそこから見ていたっておかしくない。




「知ってたよ。…桜が出入りするようになったことも」




放課後、何回か見たから、と続ける美鈴。




「でも、美術部に入った理由はそれじゃない。もともと、そこにいるなんて知らなかったし…」




「じゃあ、なんで…」




「あたしね、美大に行きたいの。…美術部は静かな環境で、部費で画材も手に入る。だから、入部したの」




美大に…




「今度見せてあげる。…それで、晴先輩のことなんだけど、本当に…ごめんなさい」




いつの間にか泣き止んでいた美鈴が、立ってあたしに頭を下げる。