君を好きになっちゃったんだ。

『はーくん、好き』




目の前にいる結衣の言葉に驚きを隠せない。




それはこんなこと、あるわけないから。




『結衣には兄貴がいる』




そうだ。




結衣には兄貴がいる。




結衣の隣は俺の居場所じゃない。




…兄貴の、結衣の彼氏の居場所でしょ?




『もう、よーくんのことは好きじゃないよ』




『え?』




どこから吹いてきたのか、俺の髪が風になびく。




でもなんだろう。




この、撫でられている感じ。




俺の知っている、誰かの手。




『ねぇ、はーくん』




『……結衣?』




一歩、俺のほうに歩みだした結衣。




二人の距離が縮まる。