俺に説明した先生は、眉を下げ

「あの子…どうしたら心を開いてくれるのかしらね。」

「…じゃあ、あの子の悩みでも聞いてあげたら良いんじゃないですか。」

「いや…なんとなく…。話しかけづらい…っていうか…ね。」

そのまま先生は逃げるように走って階段を昇っていく。
まあ…話しかけづらいだろうが…先生がそんな事を言っていいのか…?
そう考えながら学校の玄関で俺の靴箱の扉を開けた時…

「あの…。木原…斗愛くん…ですよね?架音さんの知り合いですか?」

小柄な可愛らしい女の子が俺の制服の袖を掴みながら言ってくる。
…確か…この人は…同じクラスメイトの…。

「…ごめん。名前が思い出せない。」

「ううん。話したことないから分からないのは仕方ないですよ。私、須藤雪花です。
同じクラスメイト…なのは流石に知っていますよね…。」

ふふ。と上品な笑い方をする須藤さん。…いきなりなんだ…。

「…あの、一緒に帰りませんか…?」

と、顔を真っ赤にして言う須藤さん。…何で俺なんかを誘うんだ…?
まあ、断る理由もないし…まあ、良いか。別に恋人ってわけじゃないし。

「いいよ。」

「やった!…その…私の事…雪花って…呼んで…?私も斗愛くん。って呼ぶ…から!クラスメイトなんだから…ね?」