俺が家に帰る時の事だった。外は夕焼けが良く見える時間。
放課後は図書館で本を読みゆっくり過ごすのが日課になっている。
帰る時に、彼女を見てしまった。
窓の向こうの花壇が並べられている所に、彼女は持っていたカスミソウを花壇の煉瓦の仕切りの上に置いた。1階の廊下から見ていた俺。…その時、

「…あの子のお姉さん…今日だったのね。」

近くを通った女の先生が彼女の方を見て、ぼそりと呟いていた。今の言い方からすると
彼女の姉さんに何かあったらしい。俺は彼女の方を見つめていた先生を引き留め

「あの、花壇の近くに居る彼女…何かあったんですか。」

先生が一瞬驚きつつも俺の質問に答えてくれる先生。

「ああ、あの子ね…1年の野木架音。…2年前に、野木さんの姉が屋上から飛び降りて…。
でも、お姉さんの事件の時には心を閉ざしていなかったのに…。今となったら…。」

野木架音…懐かしい名前に俺は反応してしまう。
…俺の幼馴染は言ってくれた。昔は弱い男だった俺に。

“斗愛は斗愛だよ!私は、どんな斗愛でも私は大好きだよ!絶対に嫌いにならない!”

無邪気に笑ってくれた幼馴染の…野木架音。これが…運命の再会だった…